経営者の求めること、現場の求めること
最近よく考えることが多い
あなたが例えば経営者であれば、「全員には経営者目線を持ってもらいたい」というのは分からなくもない話ではあったりする
しかし、あなたが現場の人間であったならば「ふざけるな。経営者は経営の仕事をちゃんとやれ」というのもまさに至極まっとうな話である
1について
で、例えば1について考える
これが「分からなくもない話」と言ったのにはわけがあります
世の中には「経営としてした判断に文句だけを言う輩みたいな奴」、というのはいるわけです
過去の自分もしたことがあります
これをもっと役職を落とした状態で書くとこんな感じです
仮にリーダーが「Aという施策を実行するか、Bという施策を実行するか、AとBは全く施策の方向性が違うので同時に採択はできない」、という状況で A を選んだ場合でも 私はBだと思うんだけど... という状態は起きます
経営として判断する場合には 51% のメリットを取り、 49% のデメリットには目をつぶってもらう、ということを否応なしに迫られます
まぁ毎度毎度51と49のメリデメに関しては説明しろよ、って思うんですけど、こういうきわきわな奴って誰かを説得したことのある経験持ってたら分かると思うんですけど、博打なんですよね
実際の問題 51%のメリットだと思って判断して、採択し説明したら51%のデメリットでボコボコにされた、なんてのもよくある話です
だから人間としてやることなんてまぁ分かりきってて、責任を少しでも分散したいんですよね、お前も考えたんだから一緒にやっていこうという巻き込み力を発揮して責任と権限を適切に委譲する
2について
では、2で考えると、これも至極まっとうな話です
そもそも、経営の仕事として経営のことを考えるのも当然仕事の内です
仮に現場の人間というのをコンテンツを作る側の人間と仮定しましょう
実際に手を動かすのはいつもコンテンツを作る側の人間です
企画・発案 -> 設計 -> 実装 -> 検証 -> 運用/改善 -> 保守...
これがコンテンツを作る側の人間のやる主なことです
それぞれの部分で、作るものによっては異常にパワーがかかる部分です
経営の仕事というのは
ビジョン制定、ビジョン(ゴール)の具体化、営業、資金調達、リソース調達、コンテンツ作成、社内広報/社外広報、チームビルディング、マネジメント、経理、契約、支払い...などなど必要な物全てがのしかかってきます
大変です、だから人を雇うのです
経営の仕事は少なからず、今できない仕事全てを言ってしまえば一手に引き受けるお仕事だと思います
経営の仕事というのはタスクベースで考えると、人がいない時ほど大きくかかり、人がいる時ほどどんどんと少なくなっていくようになります
なので、経営の後半の仕事はほとんどMTGと人間関係調整とお金をどっかから引っ張ってくることばかりです
つまり関わるフェーズで経営者と現場の関係性には必ず溝があります
で、人間と接したことあるなら分かるかと思いますが、2人以上いれば政治が始まります
そして、パワーバランスというのは個人とチーム、それぞれで変わってきたりします
プログラミングしたことある人なら分かるかと思うんですが、if文の嵐だと思うんですよね、人間関係って
で、本来であれば経営者が考えなきゃいけないこと自体も中々考えられずに日々が進んでいきます
そうすると、フラストレーションが溜まり「経営者目線を持て」と言いたくなるのかなぁと思ったりします
しかし社内政治に巻き込まれているのは現場も一緒で、関係調整に走っているのも現場の人間も一緒です
つまり、組織として経営者が自分一人でやってた頃はモチベートもあったでしょう、それを努力で何とかしようと時間を使って動いたはずです
それが全くの経営に興味のないレイヤの人間に求めても酷なことで、はっきり言ってそれを押し付けてくるのは完全に自分の価値観の押し付けではないのかなと思います
2つの立場
大事なことは興味のないレイヤにも「魅せること」は全然ありだと思いますし、そういう風に布教していくのはありだと思います
しかし、それを押し付けてくるのは責任がズレてるなぁと思います
経営者が求めるもの、現場が求めるもの
経営者は現場に欲の形を見せる必要があると思うし、現場は経営者にそのスキルを持って応えてあげる、という風土を両方で作っていくのが良い環境だと思います